エネルギーマネジメント運動のうねり:注目のインド

弊社サイトのアクセス件数1位日本、2位アメリカ、3位カナダ、4位英国が常連だったのですが、6月頃からインドが1位または2位になっており、インドのエネルギーマネジメントへの勢いを感じています。 そこで今回は、インドからのアカウント登録読者に情報提供をお願いし、「インド特集」としました。インドから情報提供いただいた方々の声の内容、以下がそのまとめです。

エネルギーマネジメント運用への関心度:

関心度とやる気は2012年に入って非常に強いものがあります。グローバル対応として昨年発行された ISO 50001 はタイムリーな追風になっています。昨今、グローバルの波にのって、インドの経済も停滞しています。しかしながら、企業のトップおよび政府関係者はエネルギーマネジメントこそが景気停滞から脱却する起爆剤と期待しています。2011年に施行された省エネルギー法はエネルギー効率化を奨励する法律の枠組みとなります。

インド省エネルギー法/2001年発令(2010年改正):

省エネルギー法により、エネルギー効率局(BEE:Bureau of Energy Efficiency)が設立されました。エネルギー効率局は中央政府と地方自治体を節合する機関として、省エネルギー法施行を奨励しています。エネルギー効率局のミッションは、市場原理とエネルギーユーザの自己管理を基本とした政策と戦略の開発にあたり、インド経済における原単位評価によるエネルギー消費削減をゴールとしています。エネルギー効率局は、エネルギーマネジメント関連トレーニング実施や ウェブサイト(www.beeindia.in)を通したeブック/ガイドブックの無料配信など、教育訓練に力を入れています。
さらにエネルギー効率局は、2012年3月31日に PAT(Perform. Achieve and Target-目標・実行・達成)プログラムを導入しました。第一段階で、8つの産業セクター(右図参照 -注釈- 政府は当面鉄道分野を除外しています。 )が対象となっています。対象セクターの事業所は、原単位評価によるエネルギー消費削減基準が設けられ、3年で達成する義務があります。キャップアンドトレードと同様、達成事業所は削減量証書(ESC: Energy saving certificates)が発行され、達成できなかった事業所は不足量を購入する仕組みとなっています。評価は公認エネルギー診断士が実施します。
実際には、高い課金制度を強いられる国有電力会社が、エネルギーマネジメントに真剣に取り組まなくてはならない状況下におかれています。そして対象産業セクターはさらに再生エネルギー購入義務(RPO:Renewable Purchase Obligations)プラグラムへの参加をを義務付けられています。2020年まで再生エネルギー15%を目標としたこのプラグラムにより、太陽光や風力による発電の促進へつながっています。
非製造事業単位では、グリーンビルディング認証が広まっています。省エネルギー・ビル省令(ECBC:Energy conservation Building Code)により、120KVA/100KW以上の新築商業ビルは、Gruha 認証(LEED認証と同等のインド認証)を必要とします。

ISO50001:2011エネルギーマネジメント国際規格への取組み:

対象産業セクターの会社は、ISO 50001規格をツールとして目標の達成を狙っています。現在、PAT プログラムはは9対象セクターですが、今後対象セクターが増えるのは確実であり、相当数の企業が ISO 50001 を基本とした運用による省エネルギー活動を実施すると推測されます。
中でも、トップマネジメントの ISO 50001 への認識が際立っています。ISO 50001 をベースとした活動を導入して、最小の投資で、会社のコスト削減へ大きく寄与していることが認識されたからです。インドはエネルギーパフォーマンス改善による事業機会が会社にとって競争力を高めることに元気づけられています。現在そのほとんどの企業が ISO 50001 認証レベルへ運用改善するよう動いています。

エネルギーマネジメント活動を展開する上での課題:

主に2つの課題があります。1つはエネルギーマネジメント手法に関するもの、もう1つは非対象セクター企業への啓蒙です。
1つ目はエネルギーパフォーマンス改善への技術的支援を必要としている事実と適切なエネルギーマネジメント運用だけでも20-30%のエネルギー削減が可能であることが理解されていないところにあります。
もう1つの課題は、エネルギーマネジメントプログラムが全体像をカバーしていない事実、つまり、政府の意図が対象産業セクターに集中しており、非対象産業セクターというピラミッドの底辺にある企業に浸透していないことにあります。つまり多くの企業がまだ「様子見」に甘んじているところにあります。
1つ目の課題は、エネルギーマネジメント専門家の活動機会を示しています。2つ目の課題は、サスティナビリティ事業展開において、インドにはまだたくさん市場機会が残されているように思えてなりません。

EnMS-Doc はインドからアクセスが急激に伸びた理由と背景を認識することができました。Saravanan氏、Elavarasan氏、Neelakantan氏をはじめ、多くの方々の情報提供に心から感謝します。

連携制御ガイドブック(英語版)インドでお披露目「グリーン IT ベストプラクティス・セミナー」
主催:インド情報技術産業協会(MAIT)インド・デリー市にて-8月31日-

グリーン IT 推進協議会(GIPC)事務局のある社団法人 日本電子情報技術(JEITA)より、国外では今回はじめて連携制御ガイドブック(英語版)が紹介されました。

インドの ICT ハードウェア、トレーニングおよび開発部門を管轄する APEX 加盟団体 インド情報技術産業協会(MAIT: The Manufacturers’ Association for Information Technology)が主催する「グリーン IT ベストプラクティス・セミナー」が8月31日、インド・デリー市で開催されました。
協賛:財団法人 海外産業人材育成協会(HIDA: the Overseas Human Resources and Industry Development Association) of Japan、グリーン IT 推進協議会 (GIPC: Green IT Promotion Council)、経済産業省(METI: Ministry of Economy Trade & Industry)、インド石油保存調査協会(PCRA: Petroleum Conservation Research Association)。 席上、GIPC メンバーより、連携制御ガイドブック(英語版)が紹介され、配布されました。

「連携制御ガイドブック」は連携制御の導入検討から効果の検証方法までを網羅した総合的なガイドブックでです。

連携制御の適用によってどのような効果が得られるかを紹介すると共に、導入対象の選定における着眼点、導入のための準備やその手順、得られた効果の検証方法などを詳しく紹介しています。
「連携制御」は、JEITA 「制御・エネルギー管理専門委員会」・省エネルギー・ワーキンググループの知識の結集と多大な努力により創り上げられたコンセプトです。日本語版は本年1月に発刊されました。そして、経済産業省「アジア域内の知識経済化のためのIT活用等支援事業(グリーンIT推進)」の一環としてJEITA・グリーンIT推進協議会が英語版を8月に完成し、今回のインドでお披露目公開されたのが経緯です。「連携制御」コンセプトがエネルギーマネジメント運用の上で、エネルギーパフォーマンス改善への究極なソリューションであり非常に注目を受ける中、グリーンIT推進協議会の委託でEnMS-Docが英訳作業をさせていただいたことを光栄に思っています。「連携制御ガイドブック」は以下のサイトからダウンロードできます。

日本語版: 「連携制御ガイドブック」
  英語版: 「RENKEI Control Guidebook」 

 


私たちの使命 #1

ISO 50001 に適合するドキュメントやサービスの提供

私たちの使命 #2

ISO 50001 に適合する EnMSに係っておられる組織や個人の方々とのつながりを広め、活発なEnMS運用を促進する

 


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